理事長挨拶

 

日本比較経営学会理事長 田中 宏

 

 

 2020年代は日本比較経営学会の世界的な出番が来る時代です!

 現代の世界と日本の企業・経営のあり方は2つの方面から新しい方向性が求められてきています。これは日本比較学会の学術的伝統と合致します。

 ひとつは、2019年7月にワシントンで開催された「国民保守会議」でリベラリズムが失敗したと宣言され、8月の米主要企業の経営団体ビジネス・ラウンドテーブルはすべてのステークホールダー、つまり顧客、従業員、サプライヤー、地域社会そして株主の利益になるように会社の目的を再定義する必要性があると声明をだしました。

 もう一つは、ポストorウィズコロナの経営学の探究でしょうか。3つの大きな変化を感じています。ひとつは、すでに始まっていた反(脱)グローバリゼーションの方向が決定的になった点です。これはグローバルバリューチェーンの構築・発展を前提として企業経営活動に反省を迫っています。第2に「不確実性・リスク・不安」社会の到来に対する人々の反応です。企業は財サービスを提供するだけではなく、その不確実性やリスク,不安のなかからどのような生活や価値、持続可能な環境を提供できるのか、が問われています。第3は国家のあり方が強化されることです。それは政府、市民社会、企業の関係の新しい再構築を求めています。これらの問題を解明する方向で統一論題のテーマ設定をお願いしていきます。

 以上のような2つの企業・経営のあり方の革新的発展は日本比較経営学会のスタイルの内的発展も求めています。(1)若手大学院生だけでなく、社会人、現場で経営にかかわる現役世代で学会員の増やす、(2)若手研究者を国際的にも育てる、(3)学会の財政予算と活動を見直す、(4)日本比較経営学会の国際的地位を引き上げる、工夫が必要だと感じています。会員の皆さまのご参画ほどよろしくお願いいたします。

 桜井徹前理事長をはじめ旧理事会の皆さまには3年間ご苦労さまでした。この場を借りてお礼を申し上げます。引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

2020年11月26日